幸福とは

「すばらしき世界(2020年上映)」生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男を役所広司さんが演じた。映画の場面で介護の仕事で正社員が決まったときの映像を見て、以前見た映画を思いだした。「幸せのちから(2006年上映)」。ホームレスから億万長者となり、アメリカンドリームを実現させた実在の人物をウィル・スミスが人生の最も困難な時期を愛する息子とともに切り抜けた主人公を熱演した映画での証券会社の正社員になったときの映像が蘇ってきた。

カウンセリングでは「プロセス主義(プロセスを楽しみながら生きる)」というのがある。 この視点から「結果に向かって一生懸命生きるプロセス(流れ)が人生で大事である」、これが幸福ともいえる。「幸せのちから」では最後には裕福な家庭、財力を最終的には得たが、それは結果であって、証券会社の正社員になるプロセスが幸福状態、「すばらしき世界」では裕福な家庭、財力を得ることもなく人生の途上で病死してしまうが、介護の仕事で正社員が決まるまでのプロセス(現実社会でうまくいかないながらも周りの応援と自身の弱さ(恐れ、怒り、無知)と向き合った)が幸福状態。幸福とは、周りとの比較や地位や財力でもなくどんな状況下でも「いまここ での一瞬一瞬」を楽しむことであり、一人間(パーソン)として存在すること、存在していれること、存在しつづけることのことである。