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★コーヒーブレイク

  私の頭にあることを忘れないうちにカウンセリングのフレームで書いている

 試験(私見)的なコーナー
★最近のニュース ★教育カウンセリングを考える などを書いています。

 


 

志事

 

連続テレビ小説「ブギウギ」(第119回)2024320日放映。茨田りつ子がスズ子(趣里)を手厳しい言葉で励ます場面。若手歌手(水木アユミ)に『ラッパと娘』を歌わせてほしいと頼まれたスズ子は、困ってしまい結論が出せずにいた。「あなた自分の弱さに目を向けなさい。自分の弱さを取り込んで歌うってもんでしょ?歌手は」「以前のあなたなら、水木アユミみたいな歌手と歌えるのなら、楽しくて大喜びだったのでは?ワクワクしていたのにどうしたの?何逃げてるのよ。肉体は衰えよりも、そっち方が100倍みっともないわよ。この仕事ワクワクしなくなったらお終いよ」と。長年続けていると自分が今まで続けていた原動力がなんだったかを見失うときがあります。またいつ辞めるかを決めかねることができないことがあります。定年がある仕事には、辞め時があります。しかし、自分のやりたいこと(志事)には、定年はありません。定年があるとすれば、やりたいことがなくなった時です。

諦めていたもの

 

映画「マトリック」(2021年)の4部作。今年度生成AIが登場し、今後、AGIASI、と進化していくと想定した中で、再度見直してみるとマトリックレザクションズの最後のところが特に哲学的なメッセージだと思います。その後二人が見つめ合い、笑いの後、「交渉に来たんじゃない」「作り直しにいくとこ」「少し手に入れる」「空で虹を彩るのはステキ」「自由な心を思いささせる」「すぐ忘れてしまう」「彼のせいだ」「ほんと」「よく考えてもらおう」「始める前にお礼を言いに来たの」「諦めたものが手に入った」「それは何だ」「二度目のチャンス」その後、二人はサングラスをかけて見つめ合う。自分で作りだした仮想現実と現実の葛藤に打ち勝つためには、諦めないで、2度、3度と何度でも戦い続けることです。

少しのだめは我慢する

 

綾小路きみまろさんの語録「少しのだめは我慢する」。これは、ありがとうの気持ちを忘れずに、s(少し)d(だめ)g(がまん)と「SDGs」「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を上手にもじっています。きみまろさんの得意とする熟年夫婦層に刺さるものだと思います。熟年になると適度な物理的・心理的距離間をもつことが人間関係の基本だということを肝に銘じたいと思います。私のは、「少しの努力で現状維持」、s(少し)d(努力)g(現状維持)を提唱します。少し、小さな変化が大事ですし、もう十分含頑張ってきたので、熟年は、少しの変化、現状維持で十分です。

お別れホスピタル

2024年2月24日NHK最終回放映(コミックのドラマ化)。主人公は終末期病棟で働き始めて2年目になる看護師。病院は看取りをするところではなく、生ききる手助けをという最終回での主人公が語るメッセージは、死とは何かを考えさられる。ターミナルケア―、末期治療など、我々にとって、身近な問題であるが「いまここ」で、日々生死を繰り返しながら、「自分生き方・考え方を打ち出す勇気(coureage to be)」という実存主義が、思考だけはなく、体の反応として問い直したい。「人は生きてきたようにしか生きていけない」のであれば、現実に向き合い、その瞬間瞬間、アッデートしていく実感を楽しんでいくいくこと。アッデートするとき、周りにどう思われるか、本音をはいて、拒絶されたら、どうしようかと一歩踏み出せないという葛藤を打ち破るためには、三苫の奇跡の1ミリのように、少しでもいい。勇気とは、自分が自分でありたいとい感情をベースにした行動・言葉なのだ。

 

昭和のおじさん

 

2024年テレビ放映中、おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか(主役:原田泰造)、不適切にもほどがある(主役:阿部サダオ)脚本はクドカンこと宮藤官九郎。両方とも昭和のおっさんが、発する「男とは、女とは・・」など現在のコンプライアンスに抵触する話題を提起しながら、令和の時代に生きている我々が学ぶべきことがたくさんある。精神分析での「スーパーエゴ(超自我)」は禁止・命令の機関です。子どもは親や教師の禁止・命令を摂取して、自分は自分に禁止・命令する能力を身につけていきます。言うべきことが言えないような雰囲気を感じている令和の時代には、昭和のおじさんが懐かしく感じ、また昭和の言葉が通じないということの戒めになると思います。

叱る依存

 

叱る依存「叱るという行為には、叱る側のニーズを強く満たす側面がり、人は叱らずにはいられない依存的な状態に陥ってこと」(村中直人、指導と評価(学校現場における叱る依存の落とし穴)、2023年8月号、日本図書文化協会)。依存ですから、叱ることにより、快の気持ちになりますし、自分では良かれと思いこんでいる人が多いです。また論理療法から、考えると、〇〇すべきとか決められたルールは守らせなければならないなど学校教育や家庭教育では、叱る依存に陥りやすい環境要因がイラショナルビリーフとして存在することを自覚したいですね。様々な場面で、生徒や子供と対峙し、楽しみながら、自身をアップデートしていきたいものです。子育て支援でも、叱ることを考えるのは大事なことだと思います。叱らないで、或いは、叱らないでもすむ育てるカウンセリングを学び続けましょう。

子育ての時間

 

2024年2月3日テレビ放映(世界で一番受けたい授業)。ドイツの夕食は(火を使っての調理)をしない。というのはびっくりしました。夜は、簡単なものですませて、子育ての時間に使う。日本の子育ての時間(母親3.5時間、父親1.05時間、令和3年社会生活基本調査、総務省)ドイツの子育て時間(母親7.5時間、父親4.8時間)。GDP(国民総生産)がドイツに抜かれて、日本が第4位かということでの番組構成でしたが、働き方改革などいろいろな取り組みが日本でもされていますが、生き方改革(どのように、何のために時間とお金などを使うか・・)ということを考えていくことが大切だと思います。

不登校30万人

 

2024年1月27日NHKSP。1月31日に再放映予定です。不登校の小中学校の数が、2012年11万人が2024年1月28日22年30万人に。学校のみらい」をとことん考える。不登校の小中学生のうち11万人が学校でも相談機関でも支援を受けられていない現状(無法地帯)をどうする?日本のフリースクール、韓国の公立代案学校(サンチョン、ガンジー高等学校)、フランス、アトリエ スコレール(公費無料、国家資格エデュケータ-)。ここから、見えることは、①文科省通知(2016年)不登校を問題行動と判断してはならないの意識改革がされていない②日本のフリースクール、月額3万3千円有料、お金がかかりすぎる③子供たちの自主自立の学びを促す、文科省のCOCOLOプラン、令和の日本型学校教育など、いろいろな観点が見えてきます。異次元の子育て支援対策の中で、教育の無償化などと同時並行で、無法地帯にいる子どもたちの学びをどのように、誰が行っていくか。教育の専門家を育成しているJECAとしてはフランスのエデュケータ-(6万人)の関わりが興味深いです。 

VIVANT

 

ドラマ(日曜劇場)自体は、公安、別班などが繰り広げるスリリングな心理戦、推理戦と主役の堺雅人さんのキャラなどが満載です。フランス語でVIVANT(ヴィヴァン)とは「生きている」「命ある」ということなので、本質的なテーマは、「生きる」「生きてる」です。死んだと思ったメンバーが生きていると分かった時点でドラマがドラマチックに展開していく。また、何のために「生きてる」のか・・。家族のため、国のため、自分のため、・・・家族・国・自分を守る。「生きている」とは、何のために「生きる」かなどをいろいろ考えさせられます。

5歳児

「チコちゃんに叱られる!」を「5歳児」に設定したのは5歳ぐらいが「ヘンな言葉覚えて大人をしかったとしてもイラッとこない感じとか、背伸びしてもかわいい感じ」「まだ社会生活や規律に染まっていない」「クレヨンしんちゃん」のしんのすけも5歳児。2歳くらいの「イヤイヤ期」とは別に、5歳から小学校低学年頃の「中間反抗期」。5歳ごろから見られる「中間反抗期」の特徴的な行動は、「口答えをする」「聞こえないふりをする」「言葉づかいが悪くなる」「年下のきょうだいにいじわるをする」「園の友だちや先生に対しては今までどおりの態度」だという。「チコちゃん 」「しんのすけ」が永遠の5歳児だというのが興味深い。

アート

「なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う、芸術のことは自分に従う」「贅沢と無駄使いは違う」小津安二郎 老いの流儀(米谷紳之介[著]カウンセリングの技法は、スキルとアートの両面がある。アート(芸術)の部分では、自分の心の動きを感じ取る楽しさに尽きると思う。ヴィム・ヴェンダース監督(ドイツ)により、映画化されたパーフェクト・デイズの主人公の平山は、東京物語の主人公の名前から受け継いで、小津監督に敬意を表し、映画祭で評価を得た。

障害者

「障害者基本法の一部を改正する法律」(平成23年法律第90号。以下「改正法障害者基本法」)での障害者の定義では、「障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」であったが、改正後は、障害者が受ける制限は機能障害のみに起因するものではなく、「社会における様々な障壁と相対することによって生ずる」とするいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえ、障害者の定義を見直し「障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」とした(2条1号)。これは、カウンセリングの2次障害(周りとの関係性)と一致する。障害があるから大変だろうという(善意の障壁(バリア))のはどちらかというのは改正前の考え方で、2次障害が生じないような合理的配慮を「ひと・もの・こと」ですることが大切である。令和6年4月1日からは、障害者差別解消法が施行(合理的配慮が、努力義務から義務)される。この法律は、障害を理由とする不当な差別をなくしていくことで、障害のある人もない人も分け隔てられることなく、誰もがお互いの個性と人格を尊重し、支え合う社会を作ることをめざしている。

引継ぎ

 

朝ドラ(らんまん)の最終週は、ナレターの宮崎あおいさんの登場で、どうやら万太郎の日記を読みながら、人生をたどってきたものだとも理解できる急展開となった。主題歌(愛の花、あいみょん)の内容(私は今を、今を憎んでいない・・)など、いろいろ俯瞰してみると、植物学者万太郎、妻寿恵子も主役であるが、ナレーター(紀子)を含めて、登場したすべての人が、主人公となる。自分の人生の主人公は自分人身である(実存主義)。それぞれの花が咲き誇る、まさに(らんまん)なのだ。個人の人生を回想することにより、自身の輝きに迫る回想法とは別な視点で、自分の意思や思いを、次の世代が、引継ぎ、語ってくれる姿を妄想すれば、今を楽しんでいけるのだ。

妄想

 

2023年97日放映、朝ドラ「らんまん」の一場面。寿恵子(浜辺美波)と差配人のりん(安藤玉恵)との会話で、「思い浮かべてごらん。例えば、北海道の開拓地に一人で行ったらって。そしたら、もう荒野を見るだけで絶望だろ? でも誰かがいるならさ、寒さに震えながら、好き勝手妄想するんだよ。何があれば幸せになれるかって」。妄想して前向きな気持ちになったところで、できることから着手する。寿恵子には想像力があって、それは創造性に結びつくものだが、現実に何から始めるかとなるとまだ不安だ。そんな寿恵子の背中を押したのが「観察」の視点だった。 この「何があれば、幸せになれるか妄想するね。」「そして、元気が出たら、ちょっとずつ何かしていく。」これは、カウンセリングの基本原理です。「妄想力」「想像力」の大切さと、「何があれば」幸せなのか、「何があるから」幸せなのか、を妄想し、エネルギーが沸いてきたら、「できること」「できている」は何かを「観察」し。「認識」していく。

その一言が将来を変える

(2023年7月11日クローズアップ現代放映)

言葉のリスクとして、大きくは以下の2点が科学的に明らかになってきている

     東京医科歯科大学は8年前から、都内の自治体と共同で、小学1年生の子どもを持つ保護者 およそ三千人を継続的に調査。子どもを傷つける不適切な言動が与える影響を、身体的な暴力やネグレクトと比較した。不適切な言動は暴力などと同じくらい、「集中できない」「いじめをする」などの問題行動を増やす傾向が見られた。不適切な言動を受けた子どもたちだけに、他人を思いやる行動をとる頻度の低下が認められた。親以外の大人の存在が、保護因子(逃げ場)として有効であると明らかになった。具体的には、尊敬できる人や大切に思ってくれる支援的な人。しかし、保護因子は減っている。「親が孤立していれば、子も孤立する。地域や祖父母との接触の減少。コロナ禍で家に閉じこもり、親子が密な関係にならざるを得ず、逃げ場がなかった」

     ハーバード大学の大橋恭子さんは、体罰や言葉の暴力・いじめなどを受けた経験を持つ300人以上の脳を分析した。浮かび上がったのは、言葉の暴力が脳のある機能に深刻なダメージを与えるリスク。言葉の暴力を受けた人は、精神的なストレスなどに対して脆弱な状態になっていた。言葉の暴力の影響を最も受けるのは、16歳から18歳であることもわかった。

 

  演習課題「あなたには、7歳の子どもがいる。学校の先生から「お子さんに困っている」と連絡があった。じっと座っていられず、課題を終えるのに時間がかかると。子どもが帰ってきたら、なんと声をかけますか?

パーフェクト・デイズ

2023年第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、主演の役所広司が男優賞に輝いた。清掃員役の役所さんは「演じた平山は、決して豊かではないけれど、最低限のもので満足して眠りに就き、その日あったことの夢を見て、同じ時間に目が覚める。僕たちは物欲もあり、『お金を貯(た)めてこれを買おう』なんて言うけど、彼にそれはない。人を傷つけることもなく、非常に尊敬できる人物です」と思いを語った。まさに、これは、「足るを知る」ということをヴィム・ヴェンダース監督(ドイツ)により、映画化されたといえる。

NHKSPいじめ放映?

 

202356日「いじめ”から、逃げない 324か月の挑戦」が放映された。ある民間団体が、海外の研究を日本風にアレンジしてして行ったものでの番組。 確かに、オールウエイ博士ら研究やCAP(キャップ:Child Assault Prevention)プログラムを改良版のようなものでした。自治体を挙げて「いじめ予防プログラム」に取り組む大阪・吹田市。全国でも珍しい取り組みなので、番組としては素晴らしいのですが、ちょっと気になったのは、5月6日に放映されて、6月17日からその団体の今年度の研修会が開始されるのでは、NHK的にどうなの?内容的には、いじめをなくす、いじめをゼロにするというフレーズが何回も出てくるのですが、これは予防的には、矛盾するもので、対処療法的になると思います。この取り組みをすれば、いじめをなくすとことができるという錯覚に陥り、いじめをなくすことが目的化してしまう危険性すら感じます。我々は、コロナ禍で、コロナに対処すれば、ウイルスは、変異を繰り返すという泥沼を経験したいと思います。常に、感染症との戦い、向き合いからは逃れないものということを知らさえたのはないでしょうか。

何周目

バカリズム脚本の2023年のドラマ(ブラッシュアップライフ)。主人公の麻美(安藤サクラ)は不慮の事故で亡くなった後、死後の世界の受付係(バカリズム)に。再び人間に生まれ変わるためには赤ちゃんの頃からやり直して“徳を積む”必要があり、以後同じ人生を何周も繰り返す。このドラマと対比して「恋はデジャブ、1993年映画」。永遠に22日が繰り返されることに気づいた主人公のフィルは、この特権を利用して何もかもしたい放題。しかし、何度もそれを繰り返すうち、彼はこれまでの高慢で嫌な態度を改め別人のようになる。

 

「何周目」と「デジャブ」には、人生を繰り返すという共通点があるが、相違点もある。それは、「徳を積む」と「学び直し」である。人は、学びによって、他者や自身への見方・受け止め方を変えることできるのだ。

母性

清佳(永野芽郁)と彼女の母親・ルミ子(戸田恵梨香)の愛の葛藤をサスペンスタッチで描いた映画。ポイントは、ルミ子の中に母性は芽生えておらず、彼女の中には、母(大地真央) に対する執着心だけがある。自分の娘でさえ、母を喜ばせるための手段としか考えていない。また、この映画では、同じ場面を、娘と母親の違った視点で見せている(例:抱きしめたのか首を絞めていたのか)。母性を考えるきっかけになった。原作者の湊かなえ(新潮社)では「時は流れる、流れるからこそ、母親への思いも変化する。それでも愛を求めようとするのが娘であり、自分が求めたものを我が子に捧げたいと思うのが、母性ではないだろうか」を母性と言っている。これは、母性だけに特化しているが、子供が親に愛されたいとか、人に愛されたいという承認欲求は誰にもあるので、母性にだけ焦点化するのもいかがなものかという感じもする。

 

ホワイトすぎる

 昨夜のテレビ放映「60秒で学べるnews」職場がホワイト過ぎて離職。最近、「職場がゆるすぎて離職する若者」が増えているようです。ブラックの反対で、ホワイト。「ホワイトすぎる」離職です。叱ればパワハラなども。そこには、やりがい、生きがい、働きがいという「がい」がキーワードです。「成長実感」を感じたいのかも知れません。23カ国の調査(出典、コーン・フェリー、グローバル企業約600社対象)で、日本は、56%(世界平均66%)で最下位結果。組織としては「若手に成長できる実感のある職場」かどうかがキーワード。また、転職が多くなると、心理学的には、ゆるい職場で何のスキルも身につかないという不安が見え隠れします。

ハッピージョブ

WBCで侍ジャパンを率いる栗山監督とサッカーの森保監督の初対談での場面。

森保監督(プレッシャーはありますけど、ストレスは全くないので。自分ができることを精いっぱいやるということと、逆にこんな幸せな仕事はないでしょう。本当にハッピージョブだ。と思っています。)

世間でも最近ブラックだと言われ、教員の業務で、例えば、学級経営や部活で、生徒のもめごとなどの指導に苦労している教員がたくさんいると思います。そんなときに、ストレスゼロ、教育者の仕事は、人様の人生に影響を与えるので、とても幸せな仕事と言い切りたいです。まさにハッピージョブだと。

「できる」「できない」「できている」

「できない」ことよりも「できる」ことに着目する事の大切さが良く指摘される。

「問題」や「課題」に直面したときに「できない」ことに固執して行き詰まることがある。そんなときには、例外として「できる」ことに意識がシフトすると解決に動きやすい。「できる」ことと「できている」ことは違う。「問題」や「課題」に直面しなくても、「できている」ことに意識をシフトすることが大事です。「足を知る者は富む(老子)」のように、日頃の普通の生活の中に、意識をシフトすること。例えば、日頃出来ていた「食事」「トイレ」「着替え」などが出来なくなったときに、当たり前のADL(基本的日常生活行動)が「できる」「できている」ということに、すばらしいと感謝できる。日常生活を普通にできていることがハッピーなのだ。

 

 

 最後の講義

人生最後なら何を語り残すというテーマで行われた最後の講義1月3日NHK再放送。

ゆるキャラの生みの親「みうらじゅん」さんと映画作家80代で、ガンで余命3か月の宣告を受けた後も新作を撮った「こいキャラ」の「大林宣彦」は、対照的と思いきや自分なりの「信念」、「哲学」を持っているのが共通的だった。大林さんは、若者に、今は新たな戦前、リアクションであたらな哲学を持ち続けること、ピカソのゲルニカを通して、あのように表現したことで今なお戦争の悲惨さを訴え続けていることに共感して、映画を通して、戦争体験を表現し続けるというのが心に残った。みうらさんは、すきま産業で、自分の楽しめるものを模索していたが、そこには、子どもの頃から仏像研究や独特なこだわりをみうらワールド(「自分なくし」「人間は死ぬんだって」「仏道」「走馬灯」)を語っていた。当然のことであるが、それなりのものを残す、残した人は、自分なりの哲学観を持つていることにつきる。

『孤独のグルメ』

年末年始特番で放映されていたので、『孤独のグルメ』をつい見てしまった。ストーリーとしては、空腹になるとすぐに店を探しに行き、自分なりの信念でメニュー表を読み取りながら、食事を『楽しむ』という単純なストーリーです。『孤独のグルメ』を何気なく見ていて、食事もSGEと同じように、『ふれあい』と『自他発見』をして、『楽しむ』ということが大事なんだということを再確認しました。『孤独のグルメ』の大衆食堂で『楽しん』でいるのを見て、おきまりの店でというマンネリ化に気がつき、たまにはお腹がすいたときに、出合った店で食べたり、自宅であれば、冷蔵庫にあるものを食べて『楽しむ』というのも面白いなと思いました。イントロのセリフもいい感じです。「時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為。この行為こそが現代人に平等に与えれた、最高の癒しといえるのである」

silent

川口春奈さん演じる青羽紬とSnow manの目黒蓮さん演じる佐倉想のドラマ「silent」(フジテレビ系)が今年話題になりました。主題歌はOfficial髭男dismの楽曲「Subtitle(サブタイトル、字幕という意味)」。1995年放送の豊川悦司と常盤貴子の主演ドラマ『愛していると言ってくれ』(TBS系)を思い出します。主題歌はDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」。7歳で聴覚を失った豊川演じる画家の榊と、常盤演じる健聴者で女優の卵である紘子との恋です。silentと同じく手話を使う場面が多いです。言葉に着目して、言語(バーバル)と非言語(ノンバーバル)を対比しながら、コミュニケーションの取り方(スキル)を学ぶのにも適していると思います。主題歌が流れる部分がすごく大事だと思います。

第一場面(公園)ステージの上で芝居をしていてふと見てびっくり

第二場面(駅のホーム)反対車線に彼がいることに気づいたとき

豊川:(手話で)もう一度

常磐:(手話で)もう一度、会いたかった

第三場面(劇場)妹との話の場面

妹:あなた、手話できるの

妹:じゃこれなに言ったかわかった

常磐:・・・・

妹:気まぐれに手話覚えて。何のこと何も知らないくせに

第四場面(家)FAXを読む場面

 

 

自他発見

自分の良さ、他者の良さを見いだしていくと。SGEの目的の一つ。人と関わって、相手(他者)の良さは気がつきやすいが、自分の良さには気がつきにくい。その時のポイントは、自分の他者の一つだと思うことです。そうすれば、相手(他者)に気を遣うが自分という他者を大切にするということに意外と無関心であることが多い。そういう意味でも、自分を自分で大切にするという(自己肯定感)を意識して持つことが大切。

魔女見習いをさがして

2022年12月25日NHK Eテレ再放送。魔法少女アニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズの20周年を記念して公開された劇場版アニメ。「子供の頃に『おジャ魔女どれみ』シリーズを見ていた女性3人が一緒に旅に出て大人になって見失ってしまった大切なものを探すという」ストーリー。

発達課題をテーマにしたもの。神話・昔話・映画は、日常→きっかけ(冒険)→敵・味方→鬼・ドラゴンの戦い(発達課題・恐れ)→帰還→日常というルーティン。このアニメの3人も、MAHO堂で出合い→それぞれの発達課題(職場・教育実習・彼氏)→まほうの力を借り、弱い自分に打ち勝って→MAHO堂のモデルとなった洋館を改装し3人の夢を実現できるカフェを開く。

「まほうの力を借り、弱い自分に打ち勝つ」言葉キーワード。

「弱い自分に打ち勝って」→子どもの時の希望を思い出し、あきらめの気持ちから脱出→あきらめ(あきらめ、明らかにする)。「まほうの力を借り」→周り(世間)を見ての対極(自分の気持ちに向き合う)

能視化

 粕谷さん(奈良教育大)のアスセメントの講座での「見る」ということについて。

 「可視化」見えなかった物事それ自体を、見える物事にすることは、数値化したりすること。「能視化」見えなかった物事が見えるようになるように、私自身が変わること(吉田章宏さんがつくった造語)こちら側が変わることなので、「経験値」や「知識」などの引き出しが多くなることで、見立て(アセスメント)の能力が高まること。

この「能視化」についての私の考察。

①「能視化」と「受視可」:能動的と受動的、「見たいものが見えてくる」と「見ているものだけ見ている。「受視可」は私の造語。カウンセリングの世界での「求めに応じて施す」原理。クライエントが求めているときにカウンセラーの言葉が入るのである。「教材力」(私の造語)も同じ原理。こんな授業をしたい、こんな教材やないかと求めていると、見ているテレビや音楽でも教材として飛び込んでくる能力がついていくのである。

②「能視化」と「脳視可」と「体視可」:「能視化」は、主に視覚をもとに脳で判断する。それ以上に、「五感」で「体」全体で感じ取る「体視可」。「体感」を重視した方がよい。スポーツの世界では、「体幹」トレーニングが当たり前にようになっているように、カウンセリングの世界でも「体感」トレーニングで「体感」を鍛えあげていく「体視可」(私の造語)が今後益々必要になる。「体視可」のコツは、話しを聞いているときに、特に「非言語」を感じ取るようにして、「オヤッ」とした感じをした時を大切にしていくことである。言葉は嘘をつけも体は嘘をつけない。

 

受け止め方・悩み方

算数問題には「例題」・「練習問題」があります。「例題」「練習」を繰り返す事で「慣れて」「できる」ようになります。受け止め方も悩み方も同じ原理です。

同じ出来事でも落ち込む人と落ち込まない人との違いは、論理療法ではその人の受け止め方・考え方に起因し、イラショナルビリーフをラショナルビリーフに転換することにより、気が楽になります。悩み方も同じで、誰でも悩みはあるので、悩み方が分かると安心して悩みに向き合う(受容)ことができ、悩みになれてくる(気づき)と、悩んでいることが楽しみ(結果的に悩みが消える)にもなります。

 

 

空白を満たしなさい

 NHKで放映中の土曜ドラマ。死から復活する「復生者」の話し。芥川賞作家・平野啓一郎の原作を柄本佑・鈴木杏・阿部サダヲらが演じるヒューマン・サスペンス。昨日の第3話で、「死」についての興味深いやり取り。「死」は傲慢にも人生を一色に染めてしまう。たまたまこぼしたインクの色一色染めてしますように。でもそんな考え方は間違っている。「死」ですべてが語られるのではなく、それは人生の中での一つのできごとでにしか過ぎない・・・・。ドラマではあるが、リアルな世界を見るときに、「生きる」「生きている」という現実の中に、主軸をおくことで、「実存主義」に通じるものを感じました。

PLAN75

 75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を描いた映画。本日公開、妻と二人で見てきました。一言でいえば、現代版「楢山節考」。「孤独死」や「事故物件」など最近のニュースでもあるので、リアル感満載。理論的には、マズローの欲求階層説で「生理的欲求」(老後の蓄えなど)「安全欲求」(家など)という欠乏欲求が満たされて、「所属集団や愛情」「承認や尊敬)「自己実現」(誰か、何かとつながっている)などの存在欲求が、高齢者は益々試されることになる。「実存主義」的には「死に方」は「生き方」であり、いまここで自分のどのように生きているかが問われます。

行動を変えるコツ

2022年6月12日放映、日曜日の初耳学(最強マーケターが悩める人に熱血授業②)。 森岡毅(つよし)さん。

自分の慣化された行動を変える時のコツは、「すぐに変われないことをあらかじめ覚悟して変わること」。具体的には、いきなり5回中5回のパーフェクトを目指すのではなく、まずは、5回に1回の成功を目指す。そして4回の失敗を嘆くのではなく、1回成功した自分を褒める。そうすると徐々に習慣化された行動を変えていくことができる。

 

人は生きてきたようにしか生きていけない。つまり、習慣化された行動は、その人そのものなのである。だから、それを変えるということは容易なことではない。今回の森岡さんのこのコツは、カウンセリングの理論にも合致するところがある。一つは、論理療法の「イラショナルビリーフ」を粉砕する方法の応用。つまり、完璧主義に対しての論駁である。もう一つは、行動療法での強化、つまり、できたことをコンプリメントすることで、強化される。

キャリアの3つの変数

2022年5月29日放映、日曜日の初耳学(最強マーケターが悩める人に熱血授業)。 ユニバーサル・ジャパン・スタジオを再建した森岡毅(つよし)さんが、キャリアの3つの変数を指摘。①自分の特徴を理解すること②環境を選択すること③特徴を磨く努力をすることを話していた。それを私なりにさらに深掘りすると。

 ①自分が好きなこと、自分の強みを見いだすこと、○○することが好きをドンドンあげていく。そして、それに何故ならばやどんなことで見いだしたかを分析する。強み発見法。②変数とは、変えられない定数とは違い、コントロール可能なものである。定数で人と勝負するのではなく、変数で勝負。転職だけでなく、職場内や家庭内環境も含めての改善、人間は環境によって、大きく影響される。③キャリアというのは、連続性がある。環境を選択すると同時に10年ごとぐらいを一つの目処に、自分の特徴を時系列的に縦に延ばしていくこと。

必死に死ぬ

「ショーシャンクの空に」5月20日放映金曜ロードショー。

 脱獄に成功したアンディと仮出所したレッが約束していた場所で再会する最後の場面を何回も見てしまう。そこには、絶望を生き抜いてきたからこそ勝ち得た「自由」「希望」という内的リアリティが感じ取れる。まさに、アンディの「必死に生きるか、必死に死ぬかの二択しかない」と言った言葉は、この映画のキーワード。

 

自己肯定感

君の声が聞きたい(若者の願う幸せのかたち)5月7日NHKSP放映。

毎年言い続けられている自己肯定感の低さです。内閣府子供・若者白書(2019)自分に満足しているか13歳から29歳。アメリカ、フランス、ドイツ、スウェーデンの中で、50%を切っているのは、日本(45.1%)だけ。

 

では、どうすれば、自己肯定感(自尊感情)を高めることが出来るかという一つの考え方として、共有体験の大切さ。共有体験とは、横にいる誰かと同じ体験をして一緒に感じることが自分をありのままに認めることにつながることです。他者と同じ景色やものを見たときに、あたかも自分のことのように感じ取ることです。また、自尊感情は、他人との比較で構成される社会的自尊感情とありのままの自分を肯定する基本的自尊感情の二つから構成されています。まずは、失敗や挫折にとらわれず幸福感を得るための土台となる基本的自尊感情でしっかり支えて、競争に勝てば高まり、負ければ萎んでしまう社会的自尊感情に振り回されないようにすることが大事です。

感情の科学

本音を語る、感じたことを語るという我々が、当たり前に言ってきたことが、科学的に証明されつつあります。昨日放映された「サイエンスゼロ」感情の科学(心とつながる体の正体)です。再放送(5月7日午前11時から30分)です。主なポイントは、内受容感覚の個人差の研究(武蔵野大学)。その人が感じ取った心拍と実際の回数の差から、相手の感情を感じ取る(社会性)研究。共感とは自分の体で相手の痛みや悲しみをシュミレーションし相手の感情を感じ取ること。内受容感覚でシュミレーションができるようになって仲がいい集団ができる。社会性とは相手といろんな心の状態や体の状態が同期する仲間。

勇気の連鎖

[新]映像の世紀「モハメド・アリ 勇気の連鎖」[NHK] 20220404日放映。「他人が求める自分ではなく、なりたい自分になるのだ」。長女がアリの葬儀で、親のこの言葉を紹介。この考えは、まさに「実存主義」そのものである。「courage to be」(ありたいようにあれ)。ベトナム戦争の渦中で、徴兵を拒否したアリの勇気がベトナム反戦運動を燃え上がらせ、オリンピックを揺るがす表彰台での黒人差別への抗議(スミスとカーロス)に連鎖し、史上初の黒人大統領オバマ誕生へとつながる。

ドライブ・マイ・カー

 

濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞。私がこの映画を見て、印象に残ったのは、家福悠介を演じる西島秀俊さんとその愛車の専属ドライバーの渡利みさき演じる嶋崎透子さんの「どよーん」とした目です。「どよーん」とした目からは、「感情を押し殺し」、「今を生きていない」、「過去とらわれ」などが推察されます。感情を情動と読み替えると、我々は日々多少なりとも「喜怒哀楽」が正弦波のように動いています。その正弦波を制限して、波を平坦にすることが「感情の押し殺し」です。「今を生きる」とは、嬉しいときは嬉しく、悲しいときには悲しく、その瞬間瞬間を味わうことにあります。「過去のとらわれ」は「心のストッパー」みたいなものです。その二人の会話が成り立つのは、愛車サーブ900ターボの運転するとき、つまり、この映画のタイトルです。人は、感情を押し殺しても、安心・安定を求めるものです。それは、自分が許せる「ひと・もの・こと」が媒体となるのです。「ぐっとくるフレーズ」を最近講座の中で紹介するのも、こうしたことをきっかけに、心のストッパーが外れることがあるからです。こうした「日々の現象」に気づけるか、気づけないか、味わえるか、味わえないかを、毎年「サイコエジュケーション」で投げかけ続けています。

僕が死のうと

「僕が死のうと思ったのは」はロックバンドamazarashiのフロントマン秋田ひろむさんが作詞作曲。2022年2月4日TBSでの「グットフレーズ」で紹介された。この詞は秋田さんの体験に基づいているという。女優の清原果耶さんが、「応援歌」として紹介されていた。「僕が死のうと思ったのは」・・「ウミネコが桟橋で死んだから」「心が空っぽになったから」などと、様々な虚無感を感じさせる誘因が羅列されているが、最後の方では、「まだあなたに出合っていなかったから あなたのような人が生まれた 世界を少し好きになったよ」「あなたのような人が生きている 世界に期待するよ」特に、最後のフレーズが。あなたを人限定ではなく、まだ見たことのない景色や出来事(ふれあい)でもよいという。自分はここにいる、ここにいていいだ。という自身の存在意義を感じ取れることだ。

 

不滅のあなたへ

新年早々1月2日3日、テレビで連続で「不滅のあなたへ」が放映される。「最後の1人から」から始まり、自分がどのように作り上げられるを検証される内容。手塚治虫さんの「火の鳥」の現段階版のようなアニメ作品。心理学の視点では、言語習得、自我形成、意識獲得などの今までと違う観点で見られるので、大変興味深い。人は安心・安定を求めるが、安心して暮らすことは、刺激のない環境を求めるということになる。つまり刺激反応がないというのは、成長に結びつかないことになるのだ。人はいくつになっても「ワクワク」感が必要なのだ。

青空

 12月21日(火)『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』でのブルーハーツ「青空」がいいねですね。上白石萌音さんや菅田正樹さんが、カバーして歌っていることもあり、今の若者も知っているようです。特に「生まれた所や 皮膚や 目の色で いったいこの僕の 何がわかると いうのだろう」のフレーズは、古くて新しいマジックフレーズです。前澤友作さんが民間人としてのニュースで地球の美しさを再確認しましたが、まさに国籍「地球」という感じですね。 どこにいても人種関係なしに、平等に「青空」を眺めることができます。

ビックボス

日本ハム新庄剛志新監督(49)の10月4日の就任会見

①呼び名はBIGBOSS。監督という固定概念(~ねばならない)を打ち壊す。「まじめな顔して腕組んでやっているようなイメージですけど、これからは僕が監督像というものを変えていきます」

②優勝、目指さない。毎年優勝せねばならないという監督のミッションを粉砕したパワーフレーズ。「優勝なんかは、僕は一切目指しません。高い目標を持ちすぎると、選手というものはうまくいかない」

③レギュラー白紙。レギュラー選手からポジションを奪い取るという既成概念を打ち破ったパワーフレーズ。「全員がドラフトにかかった選手だと思っている。レギュラーなんて1人も決まっていません」

 

シネマの神様(映画2021年)

 競馬、マージャンと酒におぼれるゴウ(沢田研二、若き日は、菅田将暉)、多額の借金あり。妻のよしこ(宮本信子)(若き日は、永野芽郁)。山田洋次監督ならではの人情あふれる映画を本日見てきました。私が一番感動したのは映画女優(北川景子)とゴウ(沢田研二)の最後のやり取り。「よしこちゃん幸せ?」「・・・」「ゴウちゃんが幸せなら、幸せね。たぶん」。妻を幸せにできないという呪縛から逃げ続いてたゴウがこの会話のあと映画館で亡くなる。このやり取りは、前回指摘したコーサーラ国王夫妻の説話にもつながる。つまり、自分を愛しいと思っている人は、他人を害さない。自分を許せない、愛せないのが、諸悪の根源。逆に言えば、自分を愛し、認めている人の周りは幸せを感じやすい。

愛しい人

 あるとき、国王が王妃に「この世の中で、一番愛しい人は誰? 」に聞いたところ、王妃が「私自身です」と答え、釈尊が「自己を愛する人は、他人を害してはならない」と諭した。つまり、「自分をかけがいのない存在と感じるなら、同じように他人も同じ思いを抱いていること実感すること」(コーサラ国王夫妻の会話)。 これは、カウンセリングでの「実存主義」に一致すると思います。コロナ渦で、不安な毎日を過ごしていますが、まず、自分を大切な存在と感じることが心理的な免疫となり、予防につながるのです。

 

シンプル

 2021年8月26日カウンブリア宮殿。「焦げ付かないフライパン」として、いまや日本でもお馴染となったティファール。6年前、社長に就任したアンディの経営モットーはシンプルで参考になります。

・日本市場が縮小する中で成功できる簡単な方法は「新しい製品を売るか」と「既存の商品に新しい売り方を見つける」こと。

・売る前に迷うより売って消費者の声を聞くこと。(商機を逸することの戒め)

・何でできないかよりどうやってできるか(ポジティブシンキング)

 

自然

 

 ユングのタイプ論に、内向と外向、思考と感情。感覚と直感が補償するという考え方があります。思考・感覚タイプだと、分析して考えるので、例えばコロナ渦のような予想外な不安の日々では、解決の糸口が見つかりづらい、あふれる毎日の情報、想定外の連続で疲れ切ってしまいます。こんな時には、普段使わない、意識しない、感情・直感タイプに切り替えることも必要です。つまり、漠然と物事を捉え、感じること。楽しい、うれしい、おいしい、気持ちいい・・。このマインドセットで、偏った行動パターン(今まで行ってきたこと)から、解放され、楽に生きられるようになります。楽ですから、自然(おのずとしななり)を感じ散れるようになります。

幸福とは

「すばらしき世界(2020年上映)」生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男を役所広司さんが演じた。映画の場面で介護の仕事で正社員が決まったときの映像を見て、以前見た映画を思いだした。「幸せのちから(2006年上映)」。ホームレスから億万長者となり、アメリカンドリームを実現させた実在の人物をウィル・スミスが人生の最も困難な時期を愛する息子とともに切り抜けた主人公を熱演した映画での証券会社の正社員になったときの映像が蘇ってきた。

カウンセリングでは「プロセス主義(プロセスを楽しみながら生きる)」というのがある。 この視点から「結果に向かって一生懸命生きるプロセス(流れ)が人生で大事である」、これが幸福ともいえる。「幸せのちから」では最後には裕福な家庭、財力を最終的には得たが、それは結果であって、証券会社の正社員になるプロセスが幸福状態、「すばらしき世界」では裕福な家庭、財力を得ることもなく人生の途上で病死してしまうが、介護の仕事で正社員が決まるまでのプロセス(現実社会でうまくいかないながらも周りの応援と自身の弱さ(恐れ、怒り、無知)と向き合った)が幸福状態。幸福とは、周りとの比較や地位や財力でもなくどんな状況下でも「いまここ での一瞬一瞬」を楽しむことであり、一人間(パーソン)として存在すること、存在していれること、存在しつづけることのことである。

感謝の念

「ありがたいと思う気持ちを表すこと」は辞書的な意味ですが、漢字を分解しながら心理学的な視点で分析をすると、

感謝=感+謝=謝で感じる

謝=寸の(言葉+身体)

念=今+心

感謝の念とは、「ちょっとした、言葉かけや行動でいま感じてる状態」となります。

コロナ渦のニューノーマル(新しい日常)で、今までと違う言葉かけや行動パターンで他者や自身に接すると感謝の念が涌くかも知れません。

 

うれしい準優勝。ただ、悔しい準優勝

 

新年早々元気が出ました。箱根駅伝での復路で創価大の最終ランナーが319秒のリードを持って栄光のゴールと誰もが思っていたが、あと3キロで駒大にかわされたときの森アナウンサー(日テレ)のコメント。「初めての往路優勝がありました。初めての総合優勝には届かなかった。目標は総合3位でした。目標達成とみれば、うれしい準優勝。ただ、悔しい準優勝となったか」と伝えた。そして「“2位で悔しい”と思えるチームになった」。最後は「創価大学、準優勝!この悔しさを来年につなげます!」と結んで、最終ランナー小野寺君のゴールを称えた。「2位」というより「準優勝」、「金」より「銀」(金より良い)、「1位」や「優勝」だけがもてはやされるが、この言い換え(カウンセリング用語ではリフレームミング)により、元気づけられることがある。また、この言葉が、その瞬間で発することができるのがすごい、森アナウンサーの「プロ魂」を感じた。まさに「言葉」は人の心を揺さぶる弾丸「言霊」である。我々「教育者」も先が見えない心折れそうなコロナ渦で見習いたい見える形での「行動」「プロ魂」「立ち居振る舞い」である。先が見えないコロナ渦、仲間と自分を称え、励まし合いながら、見える形の「言葉」「行動」「プロ魂」で倍返しの1年のスタートダッシュを。

中島みゆきさんから「糸」の曲での映画で、唯一監督に「悲しい終わらせ方だけにはしないように」という注文があったと聞いていたので、映画の展開で虐待や癌や3.11の場面があってもある意味安心してみられました。やはりハッピーエンドはいいですね。

「縦の糸はあなた、横の糸は私、逢うべき糸に、出逢えることを、人は 仕合わせと呼びます 」運命的な出会い(出逢え)と幸せ(仕合わせ)を映画の中で堪能できる純愛映画というよりは(ほのぼの映画)で我々高齢者(幸麗者)が見ても楽しめます。

インナーピース

大坂なおみさんが全米テニスで2度目の優勝、「大坂なおみ、インナーピース」で検索するとインナーピース(心の平穏)の具体的なことを知ることができます。私は今回の優勝で違う側面を感じました。今回は黒人差別へのアピールして、7つの黒いマスクにそれぞれの人の名前をつけて試合をし、(多くの名前を見せたかったので、よりか近いと思い、強くなれた)と語った。また、前哨戦では一度は準決勝を棄権を、そして(私はアスリートである前に一人の黒人女性)とシャイな彼女が意思表明した。これは、明らかにグランドスラムを目標にするのではなく、今ここで、自分がテニスにただ勝つことだけではなく、やらなければならないことを目標にするという「立ち位置の変化」です。プロのテニスプレヤーとして、勝つことよりも、今の幸せを重視することです。勝負の世界では、優勝すれば、また優勝を目指すときりがないくらいのプレッシャーとの戦いです。この立ち位置に立てば、「優勝せねばならない」というピアプレッシャ(同調圧力)に屈せず、今ここでの自分が幸せを感じれることに目標を置く(集中する)ことで、結果的に優勝できたと思います。このことは、プロテニスプレヤーでなくても、我々自身や子どもたちにも汎用性があると思います。今我々はコロナ渦で様々なピアプレッシャにおかれています。今ここで、やらなければならないことを目標にしてみてください。さあ、あなたは何を目標にしますか。

夫婦げんか

文字通り「認めてもらいたい」という承認欲求は誰にでもあります。分かってもらいたいもその一つです。認めてもらいたい相手は、夫であれば妻、妻であれば夫となります。何で妻(夫)は、あなたのことを思って言っているのに何でわかってくれないのかとよく見かけるトラブルです。ある意味、お互いのことを思っているのに、それが伝わらない。

それは、伝え方、わからせ方を知らないからです。伝わるように伝えなければ意味がありません。最初からこの人には伝わらないと思ってスタートしなければ伝わりません。同様に、分かるようにしなければ分からすことはできません。

具体的には、夫は、アドバイスはしないで、妻の話を遮らずに最後までまず聞くこと。それで、妻の変化が少しでも見られたら、「わかったよ」と伝えてみてはどうでしょうか。

妻は、すぐに逆ギレせずに、この人は私のことを思ってアドバイスしてくれているんだと自身に言い聞かせて、「ありがとう」「たすかった」「うれしい」と言う。そこで、夫に変化が出てきたら、「話しを聴いてもらうだけでも相手をしてもらえない」とチャレンジしてみてはどうでしょうか。

 

 

 

パラサイト

 寄生という意味。寄生獣という漫画もありました。「パラサイト 半地下の家族」を見ての感想ですが、両方とも「貧困」「経済的格差」は共通しますし、「万引き家族」と似た雰囲気を持ちます。ここで、パラサイト→自己疎外→エイリアン で考えてみたい。自己疎外とは自己肯定にとのSGEの目的の一つです。本来は「 ヘーゲル哲学で、ある存在が自己の本質を本来的自己の外に出し、自己にとって疎遠な他者となること」。自己疎外の原語は、alien(エイリアン)という形容詞で、土地、社会、種族、人などに関して、「他の国の」、「外国の」、「異国の」という意味。ETで有名になった「エイリアン」。エイリアンといえば SF の世界で地球人に対して他の星から来た宇宙人、異星人、異星生物という名詞での使い方。それの元にあるのは「他人のものにする」という意味。要するに、「パラサイト 半地下の家族」は、貧乏人が金持ちに寄生するという表のメッセージと寄生する中で、自己疎外感にとらわれ、自分を取り戻していくという 裏セッセージがあるのではと思いますが、最後の終わり方は残念。

キャッツ

映画を字幕で見てきました。感動的なのは、メモリーを歌う2場面。涙がでてとまらない、心を揺さぶられました。最初の場面では過去の栄光にとらわれたメモリー(記憶)にとらわれて、月をみては嘆き悲しむ。もう一つの場面では、天上に昇って新たな生を得る権利を手にする(今を生きると思った瞬間)のだ。そして、最後のセリフ、「猫は犬ではない」。「私はあなたではない」」「私は私」。まさに、実存主義。キャッツ恐るべし。

認知症

「認知症医療の第一人者が認知症になった」1月11日放映NHKスペシャル。長谷川和夫さん(90)。「長谷川式」と呼ばれる早期診断の検査指標を開発。1980年代に認知症のためのデイケアーも提唱。自らが認知症になって孤独を感じ、デイケアーを拒否。今思えば「何がしたいですか。何がしたくないでしょうか」ここから出発してほしいとぼやく。先輩医師から「君の研究は、君が認知症になって完成する」と言われた。認知症になって分かったこと「余分なものがはぎ取られちゃうんですよね。認知症になると」「よくできてますよ」「心配はあるけど心配する気づきもないからさ」「神様が用意してくれた、一つの救い」

 

この放映を見て、死に方=生き方」のカウンセリング心理学、心理学者者としての在り方を考えされられた。

2020年トレンド

オリンピック、キャッシュレスなど様々なキーワードが今年のトレンドにあげられています。2030年を見据えてのキーワードは、「変化と対応」です。例えば、毎日のように何十年に一度、想定外などの異常気象、これからはそのような「変化」が続くということです。

 

その「変化」に対してどのように「対応」するか、それも事後処理ではなく、予防としての「対応(応戦)」です。このことは、カウンセリング心理学の得意分野です。いかに医療が進み、癌も100%対応できたとしても、「死」からは逃れることはできません。「死に方(生き方)」を学ぶことです。不安を恐れることではなく、不安を抱きながら、いまここを感じ、前に進むことです。「ならなかったどうしよう」ではなく「なるようになる」という現実を感受していくことです。

男はつらいよ

「男はつらいよ」シリーズ50周年記念作品。作家になった光男が過去の寅さんの場面を振り返りながら登場する。寅さんは名カウンセラーかもしれない。

寅さん:さて、光男、何でも聞くか(腕組み)

光男:何を(足をたてて、うずくまっている)

寅さん:親にも言えない悩み悩みがあるのか、それとも高いものがほしいのか。顕微鏡か。光男:俺をいくつだと思っているんだよ。もう。(あきれて)

寅さん:お前、流行歌手になりたいのか(ジェスチャーしながら)

光男:そんなんじゃないよ。

寅さん:おじさん。それだけは反対だぞ。(指さしながら)

寅さん:お前まさか・・・。赤くなりあがって(腕組みしながらにやにやして)

光男:何?。そんなんじゃないよ。(顔が赤くなる)

寅さん:高校の同級生か?近所の娘か?

光男:違うよ。下級生だよ。(ハッとする)

 

寅さん:全部話しちゃえ。なっ。気が楽になるから

最高の人生の見つけ方

 

昨日が上映最終日の映画.余命宣告を受けた主婦の幸枝(吉永小百合)と仕事一筋の社長・マ子(天海祐希)が偶然手に入れた「死ぬまでにやりたいことリスト」を実行する。原作の ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した映画もみたが、こちらの方が日本人の文化にあってグッときた。一見するとエジプト旅行するとか好きなものを食べるとか定番の行動もあったが、自分たちが主人とか子どもに対して諦めていたものに向き合ったときの幸福感・満足感は誰もが感動。主婦が自分を犠牲にして家事育児におわれ、自身が癌になってもその姿勢、かたくなさを変えないのは、主婦でなくても共感。自身の中にある諦めの心は、これはリストの最後にあった宇宙旅行と匹敵する。自身の諦めは自分自身で創り出したもの。カウンセリング理論の条件付けである。自身の意志による新たな条件付けのより、病気や他者の働きかけで自分(おのず)が打ち破り、最高の人生を見つけていくしかない。これが私の人生の主人公は私自身であるということである(実存主義)

ロケットマン

エルトン・ジョンが、まだ生きている段階での自伝映画。デビューはタイトル通りに、ロケットマンだが、両親の愛に飢えて、同性愛、アルコール・ドラック依存というどろどろもロケットマン。最初の場面が、自助グループでのセッションから始まり、カウンセラーとしては、面白い展開。本人も平凡な生活を望んでいたが、あるがままの自分を受けいれて、平凡な生活を手に入れることは、結構難易度が高いかも知れない。久しぶりに、your songs(僕の歌は君の歌)を聞いて、曲としては癒される。

教養

東大教授が考えるあたらしい教養 (幻冬舎新書)藤垣裕子、柳川範之 (著)「(教養=知識量)という考え方はもう通用しない」。今は、ネット検索で、知識はすぐ手に入る時代です。教養とは「正解のない問いに対し、意見の異なる他者との議論を通して思考を柔軟にし、〈自分がよりよいと考える答え〉にたどり着くこと」。新学指導要領が始まり、知識→思考力・判断力→生き抜く力という新学力観と一致する考え方です。正義の反対は、悪ではなく、別な正義と考えられることの方が今の社会では通用するということですね。もちろん、知識の量もあった方がいいです。私が今までであった人物では、村主さん(図書文化社元社長)でした。東大の哲学出身で、何を聞いても応えら、知識もずば抜けていましたし、相手を否定せず、相手を良く見抜き、相手を引き立ててくれる方でした。私も随分いろんな事を教えていただき、引き立てていただきました。

心理的離乳

トイストリー4を見てきました。3で、大人になったアンディと主人公のウッディとの別れで完結と思っていましたが・・・。4では、ウッディの自立、子どもに愛されるおもちゃの使命よりも、ボーという恋人と一緒にいることを選択。心理学では、心理的離乳(親離れ・子離れ)がテーマになっていますね。分離不安を感受しながら生きていくのが人生普遍のテーマです。

自己対峙

   レスリング世界選手権代表決定プレーオフ女子57キロ級での伊調馨さんと、川井梨紗子の対戦での伊調さんの敗戦の弁「自分が弱かったとは思わない。梨紗子が強かっただけ」話し方も含めて、この言葉には、今までの自分に課してきたものが凝縮されている。大事な試合であればあるほど、相手よりも自分が抱いている緊張や不安などのプレッシャーとの戦いになる。つまり、その弱い分も含めて「自己対峙」できるかがポイントだと思う。

恩送り

アンビリバボー2019131日放映。隆道さんが、父から廃業寸前の食品会社を継ぎ、茂木さんとの出会いで再建へ向けての感動的なストーリー。隆道さんが、茂木さんから教わったこと。「仕事は自信と誇りと情熱を持ってやる、それが重要だという事を教わりました。茂木さんからして頂いたことを、次の世代に繋げていく事が茂木さんに対する恩返しだと思います。恩返しよりも恩送りということが真実だと思います。」

 恩送り(おんおくり)とは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ることで社会に還元すること。これは、教育そのものです。人を育てることが出来るのは、人に育てられた体験があるということが強みになります。それが、人材育成になります。

便秘改善

タケシの家庭の医学2019年5月14日放映。「 便秘改善!腸が開く 簡単リラックス法」

方法:日々の生活の中で、ふと頭の中に「今日もお通じはないのかな?」「早くスッキリしたいなあ」など、便秘の悩みが浮かんだら、しっかり目を閉じて、深呼吸(およそ2秒かけて、息を吸い込み、それを5秒かけて、ゆっくりと息を吐き出す)。ポイントは、「少しぐらいお通じがなくても大丈夫」と、心の中でつぶやくこと。

→カウンセリング理論で解説すると、目を閉じることで、他の情報を遮断することができる。悩み(緊張・不安)を出たときに、リラクゼーション(呼吸法)と大丈夫というつぶやきを行うことで、逆制止(行動療法)を行ったことになる。逆制止の原理(ウォルピ(Wolpe,J))とは、人が不安とリラックスを同時に体験できないということに着目して、ある条件反応と逆の反応の条件づけのこと。

 

なんもしない人

2019年4月26日放映。ドキュメント72時間「密着!“レンタル なんもしない人”」

 「なんもしない私を貸し出します」。そんな不思議なサービスをツイッターで提供する男性。彼は、大学院を出て、社会人経験もあり、妻と子どももいる。「何もせず、ただそこにいるだけ」にも関わらず、貸し出しを求める依頼が後を絶たず、ツイッターのフォロワーは10万人を超える。離婚届の提出に付き添ってほしい、自分の作った食事を一緒に食べてほしいなど。依頼は様々。ここに、現代の人間関係の一面をかいま見る。自分に深く入り込まれたくないがそばに誰かいてほしい、自分目線の他者の存在。自分は傷つきたくない。家族や知り合いではなく、「なんもしない」契約した他人を求める。

意外な教育

クローズアップ現代+2019425()放映。「AIに負けない”人材を育成せよ 」

IT企業で働く人たちが多く暮らしているアメリカ・シアトルの人気の私立学校を紹介。

理由は、意外にも、デジタル機器の使用が一切禁止。紹介されていた2人の言葉を聞くと、今の時代は、幼少期の教育で、人と人とのつながりやデジタルよりもアナログを意識しないと育たない能力のあると考えさせられました。

教務主任 シンディー・ジョーダンさん

「世界や人間を理解する前の子どもが、タブレットやスマートフォンを使うと、自分で考えられなくなります。人間同士の関係が作れなくなってしまいます。できる限り多くの生身の経験をさせることの方が大事なのです。」

父親もITプログラマーの母 マリンダ・デ・ラノイさん

 「AIが人間の仕事を奪っていく今、息子が大人になった時、どんな仕事があるのかさえ全く分かりません。未知の将来に対する子育てを考えると、自分で問題を解決する力や適応力・柔軟性を最大限に伸ばしていくしかないのです。」

グリーンブック

 令和元年5月1日「グリーンブック」。一般的には、黒人ピアニストと彼に雇われた白人の用心棒兼運転手が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を手に人種差別が残るアメリカ南部を巡る人間ドラマ。この映画を別な視点で見ると、黒人でありながら、ピアニストで博士号を持つエリートとイタリア移民で無教養、離婚し兄弟とも疎遠の孤立と親戚が集い合う家族愛、理性とごまかしなど、相反する価値観を持つ二人が、うち解け合う人間ドラマ。当時の北部のアメリカといえど黒人が白人の世界に入り込むためには、一目置かれるような博士号など学歴や名声が必要であったがそれが仇となり兄弟や同じ黒人との間に生まれた疎外感。英語もうまく話せない書けないイタリア移民であれば、嘘ではなくごまかしでその場その場を乗り切り、親戚が助け合い、つながり合ってきたというのが生きるすべ、というそれぞれの生き様もかいま見れる。

好奇心

情熱大陸、2019年3月17日放映。「こどもの好奇心に火をつけること」「何かを学ぶというより、驚きと感動を」「教育のディズニーランド」「能力開発より興味開発」「「学力向上や受験の成功がその後の人生にどれだけ意味があるのか」などインパクトのある言葉で宝槻泰伸さん(37才)の学習塾「探究学舎」の紹介された。「探究心と自発性」のキーワードをもとに、その際、映像や漫画を多用する手法は、説得力もある。宝槻さん3兄弟は、父親の指導の基、全員、同じように学び、塾も高校にも行かずに京都大学を卒業している。 「学習は受験のための道具ではない。学習を通して知的感動を味わい、それ自体が目的となるものだ。」というポリシー。これは、「わかりやすくて」「面白くて」「ためになる」対話のある授業と相通じるものがある。無理に学力と結びつけなくても「驚きと感動」を味合うことが「興味開発」。既存のマニュアルがあるわけではないので、教える側の「驚きと感動」が、この学習塾のエネルギー源。そして、教える側の立ち居振る舞いがそのパフォーマンスをあげる。一時、ライザップが「結果にコミットする」のフレーズが有名になったが、探求学舎は、子どもが自ら興味を持ち、それを育むことを目的とし、「受験合格や成績アップにはコミットしない」。更なるキャッチフレーズは「教育のディズニーランド」。新学力感の「非認知的能力」のベースになるのは、知的好奇心(拡散的好奇心・特殊的好奇心)。教授法は、探求学習。その理論と方法を従来の枠を超えている。

 

いつでも死ぬ

樹木希林120の遺言(最後ぐらい好きにさせてよ)宝島社。生・病・老・人・絆・家・務・死の第8章からなる本です。「人間はいつか死ぬ」とよく言われます。これだけ長くがんと付き合っているとね、「いつか死ぬ」じゃなくて「いつでも死ぬ」という感覚なんです。でも、借りていたものをお返しするんだと考えると、すごく楽ですよね。・・本を全体を読み終えてた感想は、ためになるというより「自然体」を感じるの一言。しかし、物事の本質をとらえているところもあり、まさに「当意即妙」を感じさせる。カウンセリングにも相通じるものがありますね。

こんな夜更けにバナナかよ

大泉洋が筋ジストロフィーにかかりながらも皆に愛され続けた鹿野靖明さん(実在の人物)を演じ主演を務めた映画。「人はできることより、できないことの方が多いんだぞ。できないことは人に頼むしかないっしょ。それも勇気だ」と訴える大泉とボランティアとの交流が見所。この映画を見ていると「助けて」と言えない我々に対して問題提起をしているようにも感じた。助けを求める人が弱者で、その助けに応える人が強者ではなく、その逆ではないか。もっと、人を信用して(頼って)もいいんだよと訴えかけているようだ。心理学での「援助要請」「被援助性」のキーワードの教材になる。つまり、この映画を見て、困っているのに「助けを求められない人」へのサポートを考えるきっけになってもらいたい。

ボヘミアン・ラプソディ

1月1日家族4人で映画を見てきました。内容は、 世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマです。還暦を過ぎた夫婦と成人した子どもとも楽しめる世代間ギャップのないすばらしい内容で、曲そのもののすばらしさや感動秘話が多くの人の胸を打ったと思います。ここでは、心理学的に解釈してみたい。

この映画のコンセプトは「生きづらさ(生きるつらさ)」だと思います。カウンセリングでは、このことを「発達課題」といい、仏教的には「生老病死」といった方が分かりやすいと思います。フレディがかかえてた、「バイシェクシャル」「エイズ」等様々な問題はこの「発達課題」に置き換えることができます。例えば。「生」は、ボヘミアン・ラプソディの曲の中で「ママ」と呼びかける象徴的なフレーズ、愛されたい、生まれてきて良かったの?(母親からの愛)、「老」は、成長(老いる)する中で感じ取った「バイシェクシャル」の葛藤、「病」は、当時難病で、「ゲイ」等の問題扱いされていた「エイズ」、「死」は、「エイズ」で長く生きられないと感じ取ったもの、父親からの「正しき行い」をしないものは受け入れられないという「承認欲求」(父親からの愛)とも解釈されます。誰人もこの「発達課題」から逃れることができません。それゆえ、この「発達課題」をどう乗り越えるかにより、「生きるつらさ」を「生きる楽しみ」に変えていけるのです。よって、世代を超えて、フレディの生き方が共感をよび、多くの人を感動させるのかもしれません。

 

12月に読んだ書籍

「老人の取扱説明書、平松類、SB新書」タイトルは、辛辣だが、「老化の正体」を知ることにより、本人もまた関わる我々も余計なトラブルを避けることができる。これは、医者が書いたいわゆるエビデンスを基にした本であるが、「百歳人生を生きるヒント、五木寛之、日経プレミアムシリーズ」は、五木さんの持ち味満載で興味を引く本である。百才人生の3つの不安。①経済的な変動に対する不安②社会情勢に対する不安③健康問題の不安。この不安におびえながら百歳を生きていく。また、①五十代の事始め②六十代の再起動③七十代の黄金期④八十代の自分ファースト⑤九十代の妄想のすすめの独自の分類。「投資バカ、荻原博子、宝島新書」(50歳を過ぎたら取ってはいけないお金のリスク) とともに、50代での行動が後の人生をを豊かにする。あと、「妻のトリセツ、黒川伊保子、講談社+α新書」は、妻にはアドバイスでは、共感することは心理学的に納得できるが、他は??・・・である。

プーと大人になった僕

100エーカーの森で、クリストファー・ロビン少年と彼のぬいぐるみたちが過ごす日々を描いた「くまのプーさん」初の実写映画。大人になり仕事に負われるクリストファー・ロビンの前に、プーや森の仲間たちが現れ奇跡の再会をしたことで、ロビンが忘れていた何かを思い出していく姿を描く。「本当に大切なモノ」とは何か。プーさんから気づかされる。 大人になったら、家族のためにも働かなければならない。気が付けば、家族でもなく、子供の成長でもなく、自分の趣味でもなく、「仕事」になってしまっている。劇中でプーが言っていたように最高の人生を導くのは、常に、考え、行動することより、たまには「何もしない」「何も考えない」ことで、気がつくとことがある。対極あるのは、内舘牧子さんの「終わった人」。定年後のあるあるネタ満載の小説。「終わる」前に、「本当に大切なモノ」を味わうことである。

最後に、プーさんの劇中での名言「今日は明日ではなく、今日だよ」。明日の会議どうしようとか焦るロビンに投げかけた言葉。その一日一日を楽しもうというプーの気持ちが現れた言葉。我々の言葉では、「いまここ」での感情を体感することから気づきが生じることにつながる。」

 

日日是好日

森下典子さんの茶道教室でのあるあるを集めたエッセイ「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」の映画。樹木希林さんが茶道教室の先生役を演じた。「本当にやりたいこと」を見つけられず大学生活を送っていた20歳の主人公典子(多部さん)が、見たことも聞いたこともない「決まりごと」だらけのお茶の世界に触れる。劇中で「日日是好日」の掛け軸を見て、毎日良い日という意味?という問いかけがあるが、その後、約20年、就職、失恋、大切な人の死などを経験し、「日日是好日」の意味を体得する。つまり、折々の季節を感じ取ることは、人生で遭遇した就職、失恋、大切な人の死と同じことであり、それをあるまままに受け入れていくこと。この映画の上映前、2018年9月に樹木希林さん他界しただけに、余計考えさせられた映画であった。

モヤモヤ感

沈黙(サイレンス)映画。神は沈黙して何もしなかったのではなく、一緒に苦しんでいた。尾形イッセー演じる「井上筑前守」とロトリゴ(主人公の宣教師)との心理戦が興味深い。単なる拷問ではなく、キリスト教の教義、他の人を助けるため、棄教した尊敬する宣教師など、あらゆる「ひと・もの・こと」を駆使し、やさしく、丁寧に語りかける。何が正しいか(真実)というより、自身の中にある真実を試されながら、「いまそこで」、何かを選択することを迫られる苦悩の連続。モヤモヤ感が残る。是枝監督の映画もハッピーエンドではなく、モヤモヤを感じることが多い。「三番目の殺人」、司法という場において、死刑が宣告されるが、何が真実なのか、誰が犯人なのか。「万引き家族」では、真の家族とは何かを考えさせられる。

遺品整理

2018年7月23日(月) プロフェッショナル 仕事の流儀「遺品と心を、整理する~遺品整理士・横尾将臣」放映。 亡くなった人の部屋に残された愛用品を片づける遺品整理。大阪に拠点を置く横尾将臣は、「葬儀は肉体的な別れ、遺品整理は精神的な別れ」と考える。ただ遺品を整理するだけでなく、悲しみに暮れる遺族の心も整理する。このような考えに至ったのは、グリーフケアーアドバイザー講座を受講してからである。また、整理生前からの「断捨離」から考えれば、残された者の心の執着は、物の問題ではなく、心の問題である。こんなところにもカウンセリングの素養が生かされる。

ブラックペアン

2018年6月24日「日曜劇場」最終回放映(医療ドラマ)。主演は嵐の二宮和也 。

最終回で渡海(二宮)のセリフ「そのままでいい。普通でいい。医者は患者のことだけを考えろ。救え。ただ人を救え。」その後、主題歌「この道を(小田和正)」が流れるという感動のラストシーン。この場面を我々のフレームで置き換えると「うまくいっていることを変えるな。うまくいっていないなら、視点を変えて、活路を見いだせ。教師は目の前の子どものことだけを考えろ。前に前に進め。ただ人としてともに成長するのだ。」

 

ネット依存症

岡田尊司(インターネット・ゲーム依存症、文藝春秋)ネット依存の被験者は麻薬中毒患者と同じであることが2012年研究で明らかになった。「デジタルヘロイン」ともいう。アメリカ精神医学会の診断基準に、インターネットゲーム障害として採用された。文科省の調査で、スマホの使用時間長くなると学力低下することを認めている。青山学院大での調査(2014)では、講義中にスマホを使用したことのある学生は、90~95%に及ぶ。

感情労働

クローズアップ現代+▽ごみマンション急増!?▽ナースも教師もなぜ▽新たな孤立?

NHK総合 2018年5月16日 放映。感情労働者として、ナースと教師が紹介されていた。今までゴミが出せないのは,本人の忙しさなどが理由に挙がっていたが、メンタルの部分では、職場で気を遣うことに疲弊して、自宅に戻ると感情労働に疲れ果てて、片付けられなくなり、感情麻痺、疲労の蓄積の貯めに起きているということ。

足を知る(老子)

足りていない部分と足りている部分があるとき、人は足りていない部分を意識してまう。

 

マズローの5段階欲求階層説での欠乏欲求(生理的・安全・愛情と所属の欲求)とリンクする。足りていない部分を補おうとすることはある意味簡単なこと。人としての尊厳は意識しなければ感じ取れない。生存欲求とは、自尊・自己実現欲求のことであれば、これは、他者との関係がなければ感じ取れない。

師弟

昭和と師弟愛(植木等と歩いた43年)小松政夫著kadokawa。

「わかっちゃいるけど、やえられない」で有名な植木等。無責任男のイメージの植木を師匠とする小松が、真実を語る。実生活は、お酒飲まず、ばくちもしない、石部金吉。植木の父親は真言宗の僧侶(破天荒)。仏像の頭をたたきながら「この音を聞いてみろ。表面は金ぴかだが中は木だ。こんなもの拝んでどうにかなると思ったら、大間違いだぞ」「俺の仕事は死人を供養することだけでなく、生きて人の良き相談相手になることだ」弟子の小松には、プライベートも含めて手取り足取り、本当に面倒見の通い師匠であった。

最高の人間関係とは、師弟関係である。

長寿の秘訣

2018年2月22日放映、スーパープレゼンテーション

世界的な長寿地域イタリア・サルデーニャ島で、発達心理学者が100歳の長寿の秘密をプレゼン。調査結果は、10位きれいな空気、9位高血圧症治療、8位体重、7位運動、6位心臓疾患の治療、5位インフルエンザの予防接種、4位飲酒、3位たばこ、2位親しい関係の存在、1位社会でのとけ込み(日常で何人の人と交流するか))

インターネット接続時間(11時間)は睡眠時間より長い。あた、実際に人と会う(リアル)と ソーシャルメデア(デジタル)とは違う。握手やアイコンタクトでもオキシトシンがでて、コルチゾール(ストレス)が減る。神経科学的にも違う。注意と社会的知性の部分が活発になる。女性の方が、リアルな関係を大切にするので長生きする。長寿の秘訣のツートップは、人間関係に関係しており、SGEでの目的の一つのリアルな触れあい体験は、長生きにも関係する。

アクティブラーニング

嵐の櫻井翔主演の2017年秋の連続テレビドラマ、『先に生まれただけの僕』が放映された。第3話で英語教師の島津(瀬戸康史)のアクティブラーニング(AL)のノウハウを取り入れた授業を見て感動した鳴海(櫻井翔)校長が、ドラマの最後、数学を「なぜ学ぶのか」「なんの役に立つのか」を全校生徒に話す場面場見所。ALで一番大切なのは、教師自身が、「能動的、主体的に挑む」こと。タブレットを使うかなどの方法論ではなく。教育カウンセリングでの「アイネス」の「自己主張」と「自己開示」ができるか大切。

幸せのメカニズム

ショーン・エイカー、スーパープレゼンテーション、9月7日放映。ポジティブ心理学の話し。外れ値は除外して、平均値で考えるのが科学をベースにした経営学や心理学。しかし、外れ値に注目する考えもある。毎日事件や事故のニュースばかり見ているとネガティブ気持ちになる。これは、病気のことばかり勉強している内に自分にも当てはまるのではないかという不安状態なる医学生と同じということで、医学生症候群ともいう。健康番組の見過ぎもこの範疇。幸せが環境に影響されるのは10%、残りの90%はその人の脳が世界をどんなふうに見るかにかかっている。仕事の成功を予測できるのはIQで25%、残りの75%はどれだけストレスを楽観的に感じられるかに左右される。現実は脳にあるレンズで見ている。幸せになるためには、従来の成功と幸せの考え方を逆転させる必要がある。成功する度に脳がゴールを設定し直すので、切りがない。つまり、成功したら幸せになれるという考えを捨てること。幸福感を持つことが大事。幸せな気分になると脳が活性化する。幸福感を持つ具体的な方法として、1日3つ感謝することを書き上げるそれを3週間行う。世の中をポジティブにとらえられるようになる。

夢の実現

2017年8月6日(日)朝日テレビ放映

『周りのしがらみと目の前の仕事に追われ夢を追いかけることを後回しにしてしまった伊能忠敬』55歳から日本各地を歩いて測量を開始し、初めて科学的に測量された“日本地図”を作成し、自身の夢を実現した伊能忠敬を中田さんが紹介。ここから導き出される教訓。我々は60才還暦、退職などそこで一度人生を総括して後は気ままにという考えの人も多い。また、年金がもらえるまで頑張れば、後は気ままに。当時の55才は、今での80才の平均寿命に匹敵する年齢である。ここから、73才まで生きて、世に名を残したこことに心を動かされた。師匠國分康孝先生は、69才でJECAを立ち上げ、87才の今もご健在である。62才でも体力・気力に追いつかない不肖の弟子であるが、志しを共にして、夢を実現させたい。

今を共に楽しむ

こころの時代NHK5月28日放映、菅原直樹、劇団主宰・介護福祉士。劇と介護は相性がいい。認知症では、できなることが多くなるが、今ここでの瞬間を楽しむこと(幸せを感じること)はできる。認知症のボケを正すか受け入れるか。受け入れることで相手の認知が理解できる。感情は残っているので、行動や言葉に隠されている感情をつかむことが大事。

雰囲気

プロフェショナル仕事の流儀、2017年5月1日放映、田中将大。自分自身を制御する力を身に付けることとポイントだけ力を出すこと。バッターと対峙しているとき何を見ているのかという質問に対して、雰囲気を感じ取るようにしている。田中の強みは、自分のその日の調子や、相手打者の雰囲気を察知し、瞬時に投球を修正する力にある。だが、田中は自らの強みに関して意外な考察をしている。「マウンドでさまざまなことを繊細に察知して、こうしよう、ああしようと思う部分が多過ぎて、逆にマイナスな要素がふっと入ってきた時に、駄目になってしまうことがあります。そこをいかにプラスに転換させて、良いプレーにつなげていくか。それが、まだうまく出来てない部分があるんです。それが僕の弱点にもなっている。」強みが時に仇となる恐ろしさ、常に冷静に自己分析を重ねる田中だからこそ認める自らの弱点だ。投手はある意味で孤独な存在だ。試合で調子があがらず、悪い流れをどうしても断ち切れない。そんな最悪の日が田中にもある。不安や焦りが押し寄せる孤独なマウンドで、田中を支える唯一のもの。それは『自分を、信じきる』という気持ちだ。「結局は最後は自分。自分が自分の味方でいてあげないといけないと思うんです。自分が今までやってきたこと、積み重ねてきたものを信じてあげないと。」

 

自閉症

ぼくと魔法の言葉たち (アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞受賞作『Music by Prudence』)原作「ディズニー・セラピー 自閉症のわが子が教えてくれたこと」

自閉症により2歳で突然言葉を失ってしまったドキュメンタリ映画。その中で、私が感じたのは、普段の会話はできなくても、ディズニーアニメの役割の台詞であればコミュニケーションが取れるようになったという驚きと相手の世界に入り込んでいく大切さ。あと、フランス講演の主人公の言葉で 「私達(自閉症の人)は、誰もが望んでいることを望んでいる。他人と接することが苦手だと思われているが、ミスリードによって壁の中に閉じこもってしまうのだ。」この誰もが望んでいることを望んでいるという言葉の重みを私はかみしめたい。

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計画的偶然性

 最近、キャリアアンカーと結びつけて、注目されているキャリア理論は、勇気と希望を与え注目すべきものである。予期せぬ出来事が個人のキャリアを左右する。原因結果論の呪縛から解き放たれるであろう。

 クランボルツ(スタンフォード大学、1999年)「計画的偶発性理論」(Planned Happenstance Theory)(人生は偶然で決まる。しかし、普段からある意図を秘めてないとその偶然はつかめないという理論)社会的成功を収めた数百人を調査した結果、8割がその地位を築いた要因に偶然など予期せぬ出来事をあげたという。予期せぬ出来事を避けるのではなく、起きたことを最大限に活用し偶然を積極的につくりだし、キャリア形成の力にすることが重要でなのだ。以下5つの成功のカギ。

好奇心:新しい学習機会の模索

持続性:めげない努力

楽観性:新しい機会を「実現可能」と捉える

柔軟性:信念、概念、態度、行動を変える

リスク・テイキング:結果が不確実でも行動する

拒絶克服法

スーパープレゼンテーション2017年4月17日放映。「私を変えた拒絶チャンレンジ」。

ジア・ジアン、インターネットで「100日間拒絶チャレンジ」のようすを動画で公開。ポイントは、拒絶された経験にとらわれず、敢えて拒絶されてみて拒絶に慣れていくこと。最初のチャンレンジは、100ドルを他人から借りること。すぐダメといわれて引き下がった。彼のすごいところはその様子の動画をチェックし、自分の様子や相手がどうして?と聞いてくれていることも耳に入ってなかったなどを客観的に見たこと。心理学の視点では、拒絶経験がある人は、拒絶される前に、自分から拒絶されたらどうしようと思っているので、ダメというサインを感じたら、引き下がり、失敗体験を再学習して強化してしまうと考える。あと、NOをYESに変える魔法の言葉として①何故と聞く②相手の猜疑心を言葉にするを紹介している。

パンより教育

 世界ナゼそこに日本人(南米コロンビアの超危険地帯)2017年2月20日Tvh放映。現地の人さえも近づかない南米コロンビアのシウダーボリバルという危険地帯の子どもたちに、無償で日本語を教えているケンジさん。例えば「ひらがなを教えると家に帰って自分の名前が書けると家族のメンバーに言う」と自信がつく。それがスラム街に生まれて将来がないと思いこんでいた子どもたちに希望を生むことになった。それは、ケンジさんが日本での高校生の時に日本語が分からなくて孤立していたときに、教師のやさしさにふれたこと。クラスの仲間に「君はケンジ君に動物5つ教える」「あなたは色」そして、その先生は、教科書に全部ひらがなをつけてくれた」という。そして今、「日本で教わった教育、しつけの必要性を話している」という。

心のケア

2016年12月8日NHK放映(TED)、「心にも応急手当てが必要な理由」(ガイ・ウィンチ)体の健康と心の健康は同じように考えるべきということ。例えば、足をすりむいたら、絆創膏を貼る。歯のケアのために歯磨きをする。心をすりむいても(怪我をする)絆創膏を貼らないのはどうしてかという問題提起。まず、心のケアで大事なのは、①心のきづを意識して、心の出血を止めること(放置しない)②自尊心を守ること(親友が接するように自分に優しくする)③反すう・繰り返し思考に着目し、マイナス思考と戦うこと(2分間別のことを考える)2分間の具体例は、スポーツをする、映画を見る、携帯のゲームをするなど。開発的・予防的得意とする我々にとって、この心の応急処置は心強いスキルである。

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先見性

 

一般的には、将来を見通す力、先を見る力となるが、よく考えると、あきらめない力、ひょっとしたらこうなるのではと徹底的に考える力となる。2016年10月27日放映カウンブリア宮殿「健康商品、一筋で580億円、最強の豆&昆布」フジッコ

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デジャブ

 実際に起きた出来事が以前に体験したかのような感覚をデジャブといいます。トムクルーズ主演映画(オール・ユー・ニード・イズ・キル)(原題:Edge Of Tomorrow)では、主役のトムが戦闘の中、タイムループ(デジャブ?)し、何回も死んで、同じ場面に生き返っていくうちに、だんだん強くなっていきます。その中で特に印象的だったのが、試行錯誤をしながら、少しずつうまくいきだすますが、どうしてもその先が変えれません。人に頼るのではなく、自分の意志で判断行動したときに、大きく変化が生じました。ここから学べることは、私たちは自分の人生の主人公であるたいという(実存主義)を求めてはいますが、実際には、自分の人生なのに、他人との関係性の中、自分の意志で判断行動していないということです。例えば食事で、たまには値段とか人目を気にせず、食べたいものを食べ、うまいとかまずいとか行動判断すること。そんなことが人生をより良く生きていくヒントになるかもしれません。

 

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健康

 

 8月14日アンビリバボー放映。「呼吸器に障がい。息を切らせた合唱団。奇跡の歌声。」「病気を患っていると健康になることだけが目的になりがちですが、実際にはそうではありません。たくさんの夢や目標をもっていいんだ」健康でないので自分のやりたいことが出来ないとあきらめたり、健康になったら何かしようと考えるのは、イラショナルビリーフ(理屈に合わない考え)です。

 

 この番組では、呼吸器の病気になったことで歌えなくなったとあきらめていたメンバーの克服のドラマが描かれています。最近の健康志向では、健康でなければならないという決めつけが強いすぎると思います。健康であるに越したことはないが、今、やるべきこと、やると思っていることがなければ、健康であったとしても「生きてる」という実感が涌かないと思います。

 

 あなたは、「いま、ここで」、生きているということを味わっていますか。

 

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ホームページの引っ越しをします!

 「dion」のサーバーが来年でサービスを停止するとの連絡が来たので、これを機に、ホームページを引っ越し・リニューアルさせることにしました。

 

 引き続きよろしくお願いいたします。

幸せな人生

 昨夜のスーパープレゼンテーション。約75年間(1938年から)ハーバード大学が行ってきた“幸せな人生”を送る秘けつを解明する700人以上の追跡調査研究。幸せな人生を作る要素は何でしょうか?

 

 お金、仕事、家族、社会的地位・・・.結論は①「人とのつながり」です。その「つながりは数でなく密度」で、②社会的つながりが重要だというのです。そして、③50代の時の人間関係が最も重要で80代になっても健康になるというのです。

 

 昨年、還暦を迎えて感じることは、一般世間では、役割を終えて、社会的地位や仕事を失い、人とのつながりが質と量的に少なくなりがちです。そんなとき、人に世間に必要とされているという何かを持ち続けることが幸せになる秘訣だということです。「良好な人間関係を築くために」の研究者としては、この研究結果は心強い限りです。

 

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グループシンク

 1972年に社会心理学者のアーヴィング・ジャニスが提唱した「集団で決めた事柄が大きな過ちにつながる」現象。日本の組織では、異論を挟むことなく、何となく意志決定がされる。排他的かつ同質性の高い組織には異論を排除する関係者の独善的なマンイドセット(固定した思考)がある。学校の常識が社会の非常識と言われるように、俗にいわれる公務員体質。日本では企業や役所などの組織に所属するとそこにずっと居続ける。年功条例、終身雇用の単線型エリートがその体質を強化してきた。自身の職場の話しになると発言もしないし、意見も持たなくなる。

 

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ムヒカ

 

 世界で一番貧しい大統領、ホセ・ムヒカ(前ウルグアイ大統領)201647日東京外国語大学講演の一部。若いみなさま方、2つの選択肢があるのです。1つは、「生まれたから生きる」ということです。いずれのほかの生き物すべてと同じように、であります。また、もう1つの選択肢というのは「そこから出発して、私たち自身の人生というものを方向づける」この問いは、実存主義の問いかけそのものです。自分の人生の主人公は自分自身である。ムヒカさんの「日本の若者は、高齢者よりも本当に幸せなのか」「時間を何に使っているのか」など今回の来日で、根源的な問いを発し続けたムヒカさんに私の師匠の國分先生を思わず重ね合わせてしまった。

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生産性

 米グーグル、2012年労働改革プロジェクト。社員同士のコミュニケーションを中心のワーク・モニタリング。"What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team" The New York Times, FEB. 25, 2016「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性を明かににした。つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵。その結果を、2014年にチーム・リーダー格に伝えて、自らのチーム内に「心理的安全性」を育むための具体策を考えるよう促したときのエピソード。ミーティングであるリーダーが「これから君たちの知らないことを打ち明けよう」と断った上で、自身がスピードは遅いが転移性の癌に冒されていることを告白した。しばらく沈黙が続いた後、チームメイトの一人が立ちあがって自分の健康状態を打ち明けた。そこから堰を切ったように、チームのメンバー一人ひとりが自らのプライベートな事柄を語り始め、それが終わるころには、自然に今回の議論(つまりチーム内のモラルを高めて、生産性を高めるための議論)へと移行していたという。

 ここから学べる教訓は、自己開示(アイネス)の必要性である。社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成すること(ワンネス、ウイネス)が、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながるということ。

 

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