その一言が将来を変える

(2023年7月11日クローズアップ現代放映)

言葉のリスクとして、大きくは以下の2点が科学的に明らかになってきている

     東京医科歯科大学は8年前から、都内の自治体と共同で、小学1年生の子どもを持つ保護者 およそ三千人を継続的に調査。子どもを傷つける不適切な言動が与える影響を、身体的な暴力やネグレクトと比較した。不適切な言動は暴力などと同じくらい、「集中できない」「いじめをする」などの問題行動を増やす傾向が見られた。不適切な言動を受けた子どもたちだけに、他人を思いやる行動をとる頻度の低下が認められた。親以外の大人の存在が、保護因子(逃げ場)として有効であると明らかになった。具体的には、尊敬できる人や大切に思ってくれる支援的な人。しかし、保護因子は減っている。「親が孤立していれば、子も孤立する。地域や祖父母との接触の減少。コロナ禍で家に閉じこもり、親子が密な関係にならざるを得ず、逃げ場がなかった」

     ハーバード大学の大橋恭子さんは、体罰や言葉の暴力・いじめなどを受けた経験を持つ300人以上の脳を分析した。浮かび上がったのは、言葉の暴力が脳のある機能に深刻なダメージを与えるリスク。言葉の暴力を受けた人は、精神的なストレスなどに対して脆弱な状態になっていた。言葉の暴力の影響を最も受けるのは、16歳から18歳であることもわかった。

 

  演習課題「あなたには、7歳の子どもがいる。学校の先生から「お子さんに困っている」と連絡があった。じっと座っていられず、課題を終えるのに時間がかかると。子どもが帰ってきたら、なんと声をかけますか?